クレーム電話に対して、ひたすら謝るのはよくありません。

なぜならば、クレームの内容をきちんと把握しないままでは、どちらに非があるのか、まだハッキリしていないからです。

クレームはまず相手の感情と向き合う」の記事の復習になりますが、もう一度、「謝る」ことについてくわしく考えてみましょう。

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謝ることと、非を認めることは別

日本では、他人に話しかけるときでも「すみません、あのう・・」といった具合に、すみませんという言葉をよく使いますよね。

そのため、まるで挨拶のように「すみません」という言葉を簡単に口にする傾向があります。

しかし、アメリカなどでは、「I’m sorry」といえば、自分の非を認めたことになるため、それにそぐわない時には使いません。

※たとえば、歩いていて誰かとぶつかった時などは、

「Are you ok?」(大丈夫ですか?)

と、相手を気づかう言葉を使います。

つまりどちらに非があるのかわからない状態だからです。

※時間に遅れたときなどは、

「Thank you for waiting」(待っていただいてありがとう)

と、謝るかわりに相手に感謝の言葉をかけます。

クレーム電話では、ついつい謝りたい心境になりますが、何度も謝るよりも、まずはこのように相手を気づかう言葉を先に使うことが大切です。

 

※相手を気づかう

男(困った)

おケガはございませんでしたでしょうか?

 

※相手に感謝する

女(ふつう)

わざわざお知らせいただき、ありがとうございます

 

何度も謝るよりも、これらの言葉の方が相手の心に届くものなのです。

何度も謝ると、ただの自己防衛になる

クレーム電話にひたすら、「すみませんでした」、「申し訳ございませんでした」と連発するのは相手のためのようであって、そうではありません。

それは、「もう許して」、「もう早く終わって」という自己防衛になってしまいます。

 

男(泣く)

申し訳ございません、はい、申し訳ございません・・

 

シニア(おこる)

謝ってばかりで、こっちの話を聞いているのか!

 

相手にそのような気持ちがバレてしまうと、ますます怒りだすことに。

謝る理由は明確に

クレームの電話を受け取ったとき、まずは、相手に迷惑をかけたことについて心から謝りましょう。

 

女(困った)

ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません

 

このように、クレームの内容とは別の謝罪であることを、ハッキリと示すことが大切です。

それから、きちんと、クレームの内容について聞く姿勢に入りましょう。

まとめ

何度も謝罪を繰り返すのは上手なクレームの応対とはいえません。

なんの謝罪なのかハッキリさせることが大切です。

ハッキリさせないままの謝罪は相手に誤解を与えることもあります。

 

シニア(おこる)

だって、あんなに謝っていたじゃないか!

 

このように、後で問題がこじれてしまう原因になりかねません。

ひたすら何度も謝るのは、逆効果になる場合があるということをしっかり覚えておきましょう。