ビジネスの電話応対の基本はスムーズな伝達です。

できるだけ早く用件を終わらせること。

このことは自分自身が顧客になった時を思い出せばわかりますよね。

ビジネスの電話は雑談するためにかけているわけではないので、用件をできるだけ早く終わらせたいと誰もが思うもの。

そのため、時間が流れる感覚を普段よりもシビアに考えておく必要があります。

あなたは、会社の電話応対のとき、「待つ側」「待たせる側」の流れる時間感覚が同じだと思っていませんか?

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電話を待つ側は時間の長さが3倍

電話応対の「待つ側」「待たせる側」の時間感覚はどのように違うのでしょうか?

 

※たとえば取り次ぎ電話の場面で

女(笑顔)

少々お待ちいただけますか?

 

シニア(笑顔)

はい

 

※こうして、そのまま相手は待つことに

シニア(ふつう)

・・・・・

 

※20秒こえる頃・・

シニア(こまる)

まだかな(イライラ・・)

 

※さらに1分をこえると・・

シニア(おこる)

いい加減にしろ!遅いぞ!

 

なぜ、こうなってしまうのでしょうか?

それは「待つ側」「待たせている側」の時間感覚の差が原因です。

「待たせる側」からすれば「たかが1分」ですよね。

しかし、「待つ側」からすると、そうではありません。

じつは、電話を待つ相手の時間感覚は実際より3倍も速く感じてしまうのです。

つまり実際は1分なのに、待つ側からすれば3分となります。

そりゃ、3分も待たされたら、誰でもイライラしますよね?

しかも、待たせる側は、なんと、実際に待たせた時間の半分にしか感じません。

つまり、「1分待たせても、30秒ほど待ってもらった」という感覚になってしまうのです。

ようするに、待つ側と、待たせる側の時間感覚の差は、なんと6倍!

 

女(ふつう)

30秒で取り次ぎできた

 

シニア(おこる)

3分も待たされた!

 

この時間感覚の違いが、このように「待たせた側」「待つ側」の感情に、重大な差を生み出してしまうことになるのです。

ビジネスの電話応対では、このことをしっかりと頭に入れておかなければ、基本であるスムーズな伝達ができないということになります。

待たせる側は時間にシビアな応対を

このように、電話応対で、「待たせる側」は通常の時よりも時間感覚にかなりシビアな応対をする必要があります。

電話応対のマニュアルによくあるのが、「コールは3回以内(10秒)で出ること」とあるのも、この時間感覚の差をシビアにとらえているからでしょう。

また、「少々」と「しばらく」などの言葉も、待たせる時間によって上手に使い分けなければいけません。

では、言葉とその平均時間をまとめてしっかり覚えておきましょう。

■「少々」 ➡ 30秒以内

■「しばらく」 ➡ 1分以内

■「大変お待たせしました」 ➡ 3コール以上

■「少しお時間よろしいでしょうか」 ➡ 3分くらい

■「すぐに」「ただちに」 ➡ 5分以内

■「折り返し」 ➡ 5分以内

■「のちほど」 ➡ 30分以内

■「後日」 ➡ 2日以内

もしも、待たせる時間が長引いてしまったら?

たとえば、「少々お待ちいただけますか?」と伝えてから30秒以上たってしまった場合や、さらに長引きそうなときはどうすれば良いのでしょうか?

あせらず、その場の空気を呼んで臨機応変に応対しましょう。

 

女(困った)

大変お待たせして申し訳ございません。少し時間がかかりそうなのですが、折り返しお電話を差し上げるようにいたしましょうか?

 

あくまでも、相手主体に考え、どのようにしたら、満足してもらえるのか?が大切です。

そのためには、こちら側ではなく、相手側に「どうするのか?」を決めてもらうようにしましょう。

自分の感覚で決めてはいけない

このように、電話応対では、「待たせる側」「待つ側」の時間感覚は大きく異なります。

しかし、この時間感覚の差に気づかず、電話応対している人が多くいます。

「折り返しお電話を差し上げます」と相手に告げてから、平気で半日以上も待たせてしまう人も・・・。

このように、自分の感覚で、電話応対の時間を決めてはいけません。

ビジネス電話の基本である「スムーズな伝達」をするためには、時間感覚にはできるだけシビアな心構えで応対しましょう。