営業などの電話応対で効果的に使われているのが「肯定から入る」話法です。
なぜならば、人は誰しも、「自分を認めてもらいたい」という本能があるからです。
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人はまず肯定されたい
人の思考は大きくわけて「肯定」「否定」の2つがあります。
そして、できれば「他人から自分の気持ちを肯定してもらいたい」と思うものですよね。
しかし、否定から入られた場合、自分の気持ちを無視されたと感じて良い印象を持つことができません。
※たとえば、母と息子の電話で・・
ご飯はちゃんと食べてるの?
最近、忙しくってさ、コンビニの弁当ばかりなんだ・・
※否定から入る・・
だめでしょ。それじゃ身体こわしちゃうよ。簡単なものでもいいから自炊しなさい
※聞く耳がなくなり、その後の意見は頭に入らなくなる・・
仕方ないだろ!それはわかってるけど忙しいんだよ
このように、相手が否定から入ってくると、その時点で相手は聞く気分が一気になえてしまい、その後の意見は頭に入りません。
※では、肯定から入るとどうなるでしょうか?
ご飯はちゃんと食べてるの?
最近、忙しくってさ、コンビニの弁当ばかりなんだ・・
※肯定から入る。それから意見へ
そうなの。それは大変ね。でもそれじゃ身体壊しちゃうよ。簡単なものでもいいから自炊しなさい
※はじめに肯定されたことで素直になれる
うん。そうだなぁ、そうしてみるかな・・
このように、反論したい時、意見を言いたいときでも、まずはいったん相手の言い分を認めて受け入れます。
つまり、最初に肯定することで、そのあとの自分の意見を受け入れてもらいやすい雰囲気を作り上げるのです。
断りの返事をもらっても会話をつなぐ
では、「肯定から入る話法」をビジネスの場でも応用してみましょう。
とても良い商品だとは思うんだが、やっぱり高いから無理だねぇ~
※まず相手の気持ちを受け入れる
そうですね。確かに高いとお感じになられるかもしれません。
※そして丁寧に説得に入る
しかし、この商品が高いのはそれだけの理由がありまして、お使いいただければ必ずご満足いただけます。ですから結果的に見れば決してお高くないと思うのですが・・
ふ~ん。なるほど~
このように、まずは相手の気持ちを受け止めることが大切です。
「営業は断られてから始まる」
という言葉があるように、営業電話で返ってくる相手のリアクションは「間に合っている」という返事がほとんどです。
そこで、この「肯定から入る話法」が大きな分岐点となるのです。
「しつこい!」と思われないためには
営業などでは、あきらめずに何度も食い下がると、「断ったのにしつこい!」と思われてしまうものですよね。
そこで、相手に「しつこい!」と思われる前に、別の視点から見た提案をして、意識をそちらへ誘導します。
たとえば・・
このエアコン、値段が高いね、無理だな~
※相手の気持ちを受け止める
そうですね。確かに高いとお感じになられるかもしれません。
※高い値段ではなく別の視点へ誘導させる
ところで、失礼ですが、お客様や、ご家族の方でアレルギーの方はおられませんか?
え?ああ、じつは孫が喘息でね・・
※相手の気持ちを受け止める
そうですか。それはご心配ですね・・。
※そして丁寧に説明に入る
じつは、このエアコンに搭載されている空気中のアレルギー物質を排除させる機能は、従来の空気清浄機付きのエアコンよりも格段に効果が上がっておりまして・・
ほお~~そうなの?
このように、お客様が具体的にその商品を使ったときのメリットをイメージできるように意識を誘導させます。
【まとめ】
相手に「そうではないことを説明したい」
そう思う場面が、ビジネスの電話応対ではよくあります。
そのような時に、あせってしまうと、「いいえ!そうではなくて・・」とつい否定から入りがちに。
それでは、相手が聞く耳を失い、会話のキャッチボールが続かなくなります。
まずは「肯定から入る」
この話法を取り入れて、上手にビジネスの電話応対に活用してみてください。